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お茶の水色・味・香り・外観について

obj_faq_q.gif 昔に比べて、茶を飲むと香りが少ないです。もっと美味しく感じる香りがあると良いと思います。

obj_faq_a.gif お茶の香りが少なくなったのは、よく言われていることです。いろいろな考え方がありますのでまとめてご紹介します。
まず、最近のお茶は深蒸し茶が一般的になった影響で、全体的に製造工程中、蒸し時間が長い傾向があります。それによってお茶の香りの成分(揮発性成分)が製造中に昔よりもたくさん揮散してしまい、香りが少なくなったということでしょうか。
次の考え方は、近年、全国の茶園の74%が有名な「やぶきた」という品種で、その他の品種と合わせて86%が品種化されています。ということは残りの14%のお茶が在来種ということですが、質問にある昔のお茶というのは、この在来種のことかも知れません。
現在、お茶の樹は「挿し木」で繁殖させますが、在来種というのは、お茶の種をまいて育てたもので、葉の色、大きさ、形、収穫適期まで個体ごとに異なっています。そのなかには、香りの成分が紅茶用品種のものに近いものもあり、それらの香りが際だって強かったのではないかと考えられます。
また、もうひとつの考え方としては、農業の近代化によって、農道が整備され、大型の製茶機械が導入されたことで、収穫してから製造するまでの時間が短縮されたことも香りがなくなった要因かも知れません。生葉を放置しておくと葉がしおれて甘い香りがただよってきます。昔のお茶栽培では大きな麻袋に目一杯詰め込んで人手によって山からかつぎ下ろしていたでしょうから、無理もない話です。したがって、緑茶がウーロン茶などの半発酵茶に近いお茶になっていたのかも知れません。
現在、茶の研究機関においては、香りの良い茶を作ることもひとつの課題として、緑茶用品種の育成が研究されています。