トピックス−茶業会議所広報
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第64号

平成16年5月20日発行

「緑茶の表示基準」の改正について
平成16年度 予算のあらまし
平成16年度 事業の内容
衛生管理向上のための研修会の開催
優良品種を早期に普及・定着化




「緑茶の表示基準」の改正について

 平成14年12月に日本茶業中央会が出した「緑茶の表示基準」の試案について、 静岡県では任意表示事項について「同一産地の荒茶が70%以上必要」との産地銘柄の 独自案をまとめ平成15年度試行してきましたが、日本茶業中央会では、消費者や茶業 関係者等から幅広く寄せられた意見を踏まえ任意表示である産地銘柄の表示について 平成16年4月より改正を行うことを決定しました。
 この日本茶業中央会の決定を受け、静岡県としても本会の消費拡大委員会において 協議した結果、新基準に示された「静岡茶」と表示する時は県内産の荒茶を100%使 った時だけに限り、県内産が50%以上100%未満の時は、「静岡茶ブレンド」など として表示を分けることを了承し、平成16年3月29日に理事会にてこの基準を適用 することを決定しました。
 このため、県内で地域ごとに産地銘柄を掲げた地域に対して、今回の取決め事項を 案内し周知徹底を図るために冊子「緑茶適正表示早わかり」を作成し関係者に配布し ました。
 「緑茶表示基準」の主な改正点は、以下のとおりです。

1.産地銘柄の要件
 @ 荒茶を製造した都府県名、市町村名、その他社会通念として一般に認め
   られた地名をもって産地名とし、その産地名を冠して産地緒柄とする。
   なお、産地銘柄の範囲が都府県又は市町村の区域を越える場合は、当該
   産地銘柄を使用する関係者が当該 産地の範囲等の条件を規定する。
 A 産地銘柄を使用する場合は、国産であって、当該荒茶産地の原料の使用
   割合が50%以上でなければならない。

2.産地銘柄の表示
 @ 当該産地の原料傾用割合が100%の場合、当該産地名を冠して「○○茶」
   とする。
    例:「○○茶」
 A 当該産地の原料俺用割合が50%以上100%未満の場合、当該産地名を
   冠してブレンドであることがわかるよう表記する。
    例1:「○○茶ブレンド」
    例2:「○○茶(ブレンド)」

3.荒茶の産地以外で仕上げ加工した場合の表示
  産地銘柄又は一括表示の記載箇所に近接して仕上げ地を記載する。
  ただし、表示された製造業者等の住所から仕上げ地が明らかな場合は省略
  することができる。


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平成16年度予算のあらまし

平成16年3月29日(月)、茶業会館において通常総会が開催され、次のとおり承認されました。

予算総額 3億8,149万円

茶業振興費の納入方法

本年度の茶業振興費納入方法の内容は
以下の通りです。
1.茶業振興費は生産割と宣伝割の2種類
  です。
2.生産割は割当制です。生産者は所属の
  農協または、茶業団体へ納めます。
3.宣伝割は従価制です。荒茶取引の際、
  生産者(売り手)は粉引き後の荒茶取引
  額の0.18%を商工業者(買い手)に
  預けます。商工業者(買い手)は同額の
  0.18%を負担し、合計0.36%を
  所属の組合へ納めます。
 ※買い手が受託した茶業振興費は必ず
  「預かり金」として経理処理して下
  さい。
4.県外移入茶についても県内茶に準じた
  宣伝割の扱いとなります。

茶業振興費にかかわる消費税の取扱いについて

 茶業振興費は不課税扱いですから、消費
税申出の際、課税仕入れに算入しないでく
ださい。

※平成16年4月から実施される消費税の総額
 表示方式に伴う取扱について
  茶業振興費(宣伝割)の賦課基準について
 は、粉引き後の荒茶取引額となっています。
  このため業者間取引である荒茶取引価格の
 消費税の取扱については、従来通り外税方式
 とします。


茶業振興費にかかわる消費税の取扱について
=静岡税務署より=
 消費税は事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の 貸付け及び役務の提供に対して課税となります。
 さて、同業者団体や組合等が、その構成員から受ける会費、組合費 等と同業者団体がその構成員に対して行う役務の提供との間に対価性 があるかどうかについては、個々の事例ごとに判定することになります。
 まず、同業者団体や組合等の通常の事業運営のために必要とする 費用を分担させる、いわゆる通常会費や一般会費については、同業者 団体や組合の存在そのものを図るためのものであり、対価性がない と認められます。
 ところで、「茶業振興費」については、前段で述べた通常会責や一股 会費とは、その性質が異なっている会費であります。
 しかし、会議所と組合員等との間に明白な対価関係があるとは認 められません。
 そこで、会議所においてその収受した「茶業振興費」につき対価性 のないもの(不課税)とするとともに、支払者側(茶生産者・商工業者) においても課税仕入れに該当しないこととなります。

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平成16年度 事業の内容

1.茶業振興総合対策事業
(1)生産改善対策事業
 ア.産地改善対策(産地発展のための事業)
   品種茶の普及を図るため、品種苗木の供給指導や茶園管理、茶園
   づくりなどの生産改善指導を行う。
   安全・安心で良質な荒茶を製造するための製茶指導を実施する。
   品種茶の流通システム確立のため、荒茶販売実態の調査を実施
   する。
   茶園機械化と基盤整備を促進するため、茶園共進会の開催や茶園
   機械化安全管理の啓発を実施する。
   地域に即した良質茶の振興を図るため、各種茶品評会への積極的
   参加を促し製造などの技術指導を通じ茶産地静岡県の名声を高める。
 イ.衛生管理による静岡茶ブランドの再構築(荒茶工場を対象とした指導)
   安全・安心な静岡茶を供給するため、異物混入防止・衛生管理指導
   や表示の指導をする。
 ウ.環境保全型茶業の確立(茶園を対象とした指導)
   ECセンサーを活用し、効率的な施肥体系を確立する。
   肥料や農薬の適正使用のため、指導や啓発を行う。
 エ.人づくり(静岡県茶業者育成のための事業)
   本県茶業を牽引する人材(生産・流通分野の指導者)の育成を図るため、
   営農講座と体験講座を実施し、必要な技術を習得させる。
   次代の茶業を担う後継者に対し、就農(経営)に必要な技術、知識の
   習得をさせる研修会等を開催する。

(2)静岡茶統一宣伝事業
 ア.大消費地におけるシンポジウムイベントの開催
   大消費地におけるシンポジウムイヘントの開催によって、新たな消費
   リーダーであるニューサーティー・シングルウーマン及び新世代まで
   30〜50代女性へのアプローチを始め、緑茶のファンづくりと囲い
   込みを行う。
 イ.グリーンティーツーリズムの開催
   消費者にお茶摘み体験、茶畑、温泉、工場見学、ティーパーティー
   開設講座等のバスツアーを開催する。参加者の募集方法は専門店を
   通じて行う。応募者のデータベース化を図り、緑茶ファン獲得のため
   に活用する。
 ウ.静岡茶処特集版情報誌の制作
   静岡県何の著名な又隠れた産地、景色、温泉、食べどころや施設等
   を紹介する静岡茶処特集版情報誌を制作。県内書店にて販売。保存
   版として販促用にも活用する。
 エ.緑茶教室の開催
   県内の小中学生から一般にまでを対象に、緑茶の基礎知識とお茶の
   美味しい入れ方を習得させ、お茶の啓発に務める。
 オ.提案型体験緑茶講座「喫茶楽塾」の開催。
   リーフ需要拡大のため、緑茶の固定的なイメージの一新と本格的な
   緑茶ファンの獲得を重点にに展開する。
   県内インストラクターのスキルアップと消費地小売店の支援を目的
   とした新しい販促展開の基盤作りを図る。地域・対象者層の拡大や
   消費地とのタイアップよるリーフ需要拡大を図る。


(3)手もみ製茶対策事業
  製茶の基礎となる手もみの後継者養成のための講習会の開催と県内外
 で実演を行い、上級茶嗜好を促すとともに静岡茶の宣伝を行う。

(4)総合調整対策事業
  お茶の消費拡大をはかるため、やぶきた以外の優良品種を早期に普及
 ・定着化させ、優良品種の普及、流通体制の整備、消費者に対する品種
 茶のPR等を実施するとともに、茶改植推進のための基盤整備マニュア
 ルの作成や、消費者の安全安心志向への対応をはかるため、トレサビリ
 ティーシステムの構築を推進する。
  また、近年緑茶の機能が解明されこれらを利用した様々な製品が開発
 されているが、消費者に充分認識されていない状況にある。こうしたこ
 とから、各種イヘントに参加し本関連製品の普及啓発を行うとともに、
 緑茶のイメージアップを図る。
  このほか、静岡茶について歴史、生産、流通など茶業全般にわたる
 静岡茶を紹介するグラフ誌を発行し、静岡茶ファン層の拡大をはかる。

(5)安心安全強化・新需要創造事業費
  静岡茶の消費拡大と評価向上につなげ、消費者の食品の安全安心への
 要求に応えるため、茶園から荒茶、仕上茶工場、店頭に至るまでを、一
 貫した衛生管理システムである「クリーンチェーン」として確立する必
 要がある。
  このため衛生管理意識の向上を図るうえで、他県とは一歩進んだ衛生
 管理マニュアルを作成するとともに、講習会を開催する。また、マスコ
 ミに働きかけ「クリーンな静岡茶」をPRする。

2.委員会等の開催
  本県茶業の発展を図るため業界の諸問題等を協議する各種委員会及び
 団体長会議・事務連絡会を開催し、諸振興策を検討するとともに団体間
 の連絡調整を図る。

3.広報・情報収集、発信事業
  茶業振興総合対策事業等の告知のため「広報」を発行するとともに、
 多様化の進む流通状況に関する情報収集及びインターネットを利用した
 情報発信、Eメールによるお茶に関する質疑応答等により幅広い静岡茶
 ファン層の拡大を図る。

4.茶効能等推進事業
  茶の効能に関する研究の積極的な推進をはかるため茶学術研究会、お
 よび茶効能研究に対する支援ならびに助成を実施するとともに各種情報
 の収集と情報発信を行う。

5.茶業振興対策事業
  各種茶業大会への副賞交付や日本茶インストラクター協会静岡県支部
 及び杉山彦三郎翁顕彰会への助成、茶業功績者表彰等を行い、茶業振興
 意欲の高揚と奨励に努める。

6.全国お茶まつり対策事業積立
  次回、静岡県において開催する全国お茶まつりのため、積立金を行な
 い準備する。

7.茶業会館の運営管理
  静岡県茶業会館の保全維持・管理ならびに円滑な運営をはかるととも
 に、業界の拠点として広く茶業者の利活用をはかる。

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衛生管理向上のための研修会の開催  ・・・安全安心、良質な茶の供給を目指して


 近年、食品に対する消費者の安心安全への関心が高まり、残留農薬や偽装表示が社会問題となっています。 このため茶においても安全安心で良質な茶の供給が一層重要となってきました。
 そこで茶園から荒茶工場、仕上茶工場、店頭に至るまで一貰した衛生管理システムである「クリーンチェン」 を確立することにより販売戦略上の優位性確保と評価向上につなげ、消費者が求める安心安全の要求に応え ていくことを目的に、平成14年から3年をかけ「安心安全強化対策事業」を進めております。
 平成14年度は、茶園から荒茶工場まで、平成15年度は、仕上茶工場から茶販売店までの現地調査を行い衛生 管理マニュアルの作成をしました。
 平成16年度は、この衛生管理マニュアルをもとに、生産者及び流通業者を対象に衛生管理徹底のための研修 会を開催するとともに、自己診断のためのチェック表を作成し管理意識の向上と各工場などの整備向上を図り、 衛生管理のレベルアップを図っていきます。


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優良品種を早期に普及・定着化

 やぶきた以外の優良品種を早期に普及定着化させ、茶の消費拡大を図るため、これまで茶業関係者を対象と した品種茶互評会、消費者を対象とした品種茶試飲PR、また今後推進すべき品種や、戦略品種(山の息吹、お くひかり)の選定などを行ってきました。この結果、品種茶に村する関心が高まっていますが、一般への認知 度が十分でありません。
 このため、今後の対策として消費者への認知度を高めるため各イベントにおける品種茶PRや、流通体制の 整備として取扱店の拡大を図る必要から販売業者への啓発を実施します。また、生産関係としては、苗木の供給 体制を円滑にいくように苗木の供給指導、茶園づくりおよび母樹園の管理指導のほか製造技術の向上をめざします。






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